犬の繁殖回数と年齢の上限

2022年6月から、販売のために犬を繁殖させる事業者には、出産回数と交配年齢の数値基準が適用されています。何歳まで、何回まで交配できるのか、7歳の特例はどんなときに使えるのかを整理しました。

最終更新:2026年9月24日

販売などのために犬を繁殖させる動物取扱業者は、雌犬の生涯出産回数を6回まで、交配時の年齢を6歳以下(満7歳未満)にしなければなりません。満7歳の時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明できる場合に限り、7歳以下(満8歳未満)まで交配できます(基準省令第2条第6号ホ、2026年9月時点)。

自分の犬がいま交配できるかは、繁殖回数・年齢チェックで生年月日と出産回数を入れると確認できます。

基準の中身(犬の場合)

項目基準補足
生涯出産回数6回まで7回目の出産につながる交配はできない
交配時の年齢6歳以下環境省の運用指針では「6歳(満7歳未満)」と説明
7歳の特例7歳以下まで可満7歳に達した時点で生涯出産回数が6回未満であることを証明できる場合のみ。満8歳未満まで
適用開始2022年6月1日基準省令(令和3年環境省令第7号)の繁殖に関する規定

この基準は、飼養管理基準省令(第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令)第2条第6号ホに定められています。対象は「販売業者、貸出業者及び展示業者」が、販売・貸出し・展示のために犬を繁殖させる場合です。

猫は別の基準で、交配時の年齢は6歳以下、満7歳の時点で生涯出産回数が10回未満であることを証明できれば7歳以下まで交配できます。猫には生涯の出産回数の上限そのものはありません(同号ヘ)。

7歳の特例の正確な条件

「7歳でも交配できる」のは次の2つがそろったときだけです。

  1. その雌犬が満7歳に達した時点で、生涯出産回数が6回未満(5回以下)であること
  2. そのことを証明できること

環境省の「解釈と運用指針」は、この証明は必須で、証明できない場合は7歳になれば交配できないとしています。証明には、基準で記録が義務付けられている繁殖実施状況記録台帳に出産回数を正確に記録しておく必要があります。台帳を記録していなかった事業者は基準違反となり、特例も使えません。

特例で交配できるのは7歳のあいだ(満8歳の誕生日の前まで)です。満8歳以上の交配は、出産回数に関係なくできません。また、特例を使う場合でも生涯6回までの上限は変わりません。

「6歳以下」「7歳」の数え方

年齢は交配した日の満年齢で判断します。誕生日を迎えた日から1つ上の年齢として数えるのが一般的です。たとえば2020年3月1日生まれの犬は、2027年2月28日までが6歳、2027年3月1日から7歳です。複数回交配する場合は、それぞれの交配日の年齢を確認しておくと安全です。

2月29日生まれの犬は、うるう年でない年の年齢の上がる日(2月28日か3月1日か)で判断が分かれるおそれがあります。当サイトのチェックツールは3月1日に1つ上がるものとして計算していますが、誕生日前後のぎりぎりの時期に交配する場合は、管轄の自治体に確認してください。

JKC 血統証明書の一胎子登録での扱い

ジャパンケネルクラブ(JKC)は、2022年6月以降の交配分から、繁殖者が動物取扱業者かどうかに関係なく、すべての一胎子登録で母犬に次の条件を求めています。

一胎子登録の申請時に審査があり、条件を満たしていない場合は申請が返却されます。つまり、法律の対象ではない個人の繁殖でも、基準を超えた交配では血統証明書の申請が通りません。

繁殖実施状況記録台帳の書き方

繁殖実施状況記録台帳は、繁殖の実施状況を記録して5年間保管する台帳です(基準省令第2条第6号ハ)。環境省の運用指針にある参考様式(図表20)では、次の欄を設けています。

書くこと
交配等年月日交配した日(はっきりしない場合は同居を始めた日など)
雌・雄個体識別番号や名前など、交配した個体を特定できる情報
出産予定日・出産年月日・出産数予定日と実際の出産日、生まれた頭数
出産後の雌の状態帝王切開をした場合は、獣医師の診断結果(次回の繁殖についての指導・助言など)
新生子の状態出産時の「健康」「疾病等」「死亡等」の頭数
雌の交配時の年齢〇歳
雌の生涯出産回数〇回目
今後繁殖の用に供する可能性有・無(繁殖をやめた年月日)

運用指針によると、この台帳があれば、保存期間の5年より前の出産も含めて累積の出産回数を確認できるとしています。自治体の立入検査でも、これらの記録をもとに繁殖の基準を守っているかを確認するとされています。他の販売業者などに犬を譲り渡すときは、この台帳の写しを一緒に渡します(基準省令第2条第6号ニ)。

参考様式の欄に沿った Excel のひな形を無料テンプレートで配布しています。

回数と年齢のほかに守ること

よくある質問

犬は何歳まで交配できますか?

動物取扱業者が販売などのために繁殖させる場合、交配時の年齢は6歳以下(満7歳未満)です。満7歳の時点で生涯出産回数が6回未満であることを繁殖実施状況記録台帳などで証明できる場合に限り、7歳以下(満8歳未満)まで交配できます。

生涯で何回まで出産させられますか?

犬は生涯出産回数6回までです(基準省令第2条第6号ホ)。6回出産した雌犬は、年齢に関係なくそれ以上交配できません。

7歳で交配するには何が必要ですか?

満7歳になった時点で出産回数が5回以下であることを証明できる記録が必要です。環境省の運用指針は、基準で記録が義務付けられている繁殖実施状況記録台帳に出産回数を正確に記録しておくよう求めています。

個人で繁殖する場合も関係ありますか?

基準省令の対象は販売業者などの動物取扱業者です。ただし JKC は2022年6月以降の交配分から、動物取扱業者かどうかに関係なく同じ条件で一胎子登録を審査し、満たさない場合は申請を返却しています。

出典

  1. 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(e-Gov 法令検索) 第2条第4号ハ、第6号(確認日 2026-09-24)
  2. 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」6. 動物を繁殖の用に供することができる回数…(PDF、p.41〜44)(確認日 2026-09-24)
  3. 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」目次ページ(確認日 2026-09-24)
  4. 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「牝犬の生涯出産回数・交配年齢に関する規制」(確認日 2026-09-24)

本ページは一般的な情報です。手続きや解釈は、管轄の自治体(動物愛護管理センター等)にご確認ください。