ブリーダー(犬猫等販売業者)は、自分の犬舎で生まれた子犬を含め、取得した犬にマイクロチップを装着して「犬と猫のマイクロチップ情報登録」に登録する義務があり、生後90日以内に譲り渡す子犬は、譲渡の日までに装着と登録を済ませます。登録手数料はオンライン申請で1回400円です(2026年9月時点)。
義務の全体像
| だれが | 何を | 根拠 |
|---|---|---|
| ブリーダー・ペットショップ(犬猫等販売業者) | 取得した犬猫にマイクロチップを装着する | 動物愛護管理法第39条の2第1項 |
| マイクロチップを装着した人 | 環境大臣の登録を受ける(指定登録機関へ申請) | 同法第39条の5第1項 |
| 登録済みの犬を譲り渡す人 | 登録証明書と一緒に譲り渡す | 同法第39条の5第9項 |
| 登録済みの犬を取得した人(業者・飼い主) | 変更登録を受ける | 同法第39条の6 |
| 登録済みの犬の所有者 | 死亡したときなどに届け出る | 同法第39条の8 |
環境省の制度サイトの「よくある質問」では、動物取扱業者が取得した犬猫には「所有する親の犬猫から産まれた子も含まれます」と明記しています。つまり、自分の犬舎で生まれた子犬も装着・登録の対象です。
装着と登録の期限
法律では、取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は生後90日を経過した日)から30日を経過する日までに装着し、その日までに譲り渡す場合は譲渡の日までに装着するとしています。登録は、装着した日から30日を経過する日まで、ただし譲渡する場合は譲渡の日までです。
制度サイトのよくある質問では、これを次のように説明しています。
| 子犬の状況 | 装着 | 登録 |
|---|---|---|
| 生後90日以内に譲り渡す(多くの子犬) | 譲り渡す日までに | 譲り渡す日までに |
| 生後90日を過ぎても犬舎で飼い続ける | 生後121日までに | 装着後30日以内に |
| 生後91日以上の犬を取得した | 取得した日から30日以内(譲渡するならその前) | 装着後30日以内(譲渡するならその前) |
子犬は生後56日を過ぎるまで販売のための引渡しができないので(動物愛護管理法第22条の5)、ふつうは生後57日目以降の引渡し日に向けて、装着と登録を済ませておく流れになります。
装着から引渡しまでの手順
- 獣医師に装着を依頼する:装着は獣医師、または獣医師の指示のもとで愛玩動物看護師が行います。環境省の Q&A では、犬は品種にもよりますが生後2週齢ごろから装着できるとされています。
- マイクロチップ装着証明書を受け取る:装着した獣医師が発行します。登録の申請に必要なので、なくさないように保管します。
- 登録を申請する:「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトの「動物取扱業者関連の手続」から、1頭ずつ、または複数頭を一括で登録します。指定登録機関は公益社団法人日本獣医師会です。
- 登録証明書を受け取る:オンライン申請では登録証明書が電子(PDF)で交付されます。
- 子犬と一緒に登録証明書を渡す:印刷して渡しても、PDF をメールで送っても構いません。
- 購入者に変更登録を案内する:販売する際は、購入者に「変更登録」を受ける法的義務があることを情報提供します。購入者は取得した日から30日以内に変更登録を行います。
手数料
| 手続き | オンライン申請 | 用紙による申請 |
|---|---|---|
| 登録・変更登録 | 400円 | 1,400円 |
| 登録証明書の再交付 | 300円 | 1,300円 |
| 登録事項の変更届(住所など)・死亡等の届出 | 手数料なし | |
手数料に消費税はかかりません。オンライン申請はクレジットカードまたは PayPay で支払います(環境省 Q&A)。
業者向けの一括登録(CSV)
動物取扱業者は、制度サイトから CSV ファイルで複数頭をまとめて手続きできます。一括手続用 CSV ファイル作成マニュアル(第2.7版、2026年7月)によると、ポイントは次のとおりです。
- CSV は目的別に4種類:「マイクロチップ情報の登録」「所有者の変更登録」「登録事項の変更」「登録+所有者の変更登録」
- 1回にアップロードできるのは最大1,000件
- 保存形式は「CSV UTF-8(コンマ区切り)」。作成・参照は Excel 2021 以降、または Microsoft 365 のデスクトップアプリ版(Web 版は非対応)
- 日付は YYYY/MM/DD 形式、品種と毛色は制度サイトで配布している品種リスト・毛色リストのコードで入力
- スマートフォンからの一括手続きは想定されておらず、パソコンから行う
入力の誤りがあるとデータチェックでエラーになり、アップロードできません。エラー一覧を見て修正します。登録証明書をメールで受け取る場合、携帯キャリアのメールアドレスでは届かないことがあると制度サイトは案内しています。
犬舎の記録として残しておくこと
- マイクロチップの識別番号(15桁の数字)と装着日、装着した動物病院
- 登録日と、登録証明書を渡した日・方法
- 購入者に変更登録の義務を説明したこと
帳簿の法定項目にマイクロチップ番号は含まれていませんが、個体を取り違えないために帳簿と同じ行に書いておくと便利です。制度サイトのトップ画面では、識別番号がすでに登録済みかどうかを確認できます。
よくある質問
犬舎で生まれた子犬もマイクロチップの対象ですか?
はい。環境省の制度サイトは、動物取扱業者が取得した犬猫には所有する親の犬猫から産まれた子も含まれると説明しています。譲り渡す日までに装着と登録が必要です。
登録証明書は紙で渡さないといけませんか?
いいえ。オンライン申請で交付された PDF を印刷して渡しても、メールに添付して渡しても問題ないと環境省は案内しています。
登録の手数料はいくらですか?
登録・変更登録は1回につきオンライン申請で400円、用紙による申請で1,400円です。登録証明書の再交付はオンライン300円、用紙1,300円です。
購入者の変更登録を代わりにしてあげてもいいですか?
報酬を受け取って代わりに申請すると行政書士法違反になると環境省は注意しています。手数料に上乗せして受け取る場合も含まれるので、購入者本人に申請してもらうよう案内してください。
何頭もまとめて登録できますか?
動物取扱業者は制度サイトから CSV ファイルで一括手続きができ、1回に最大1,000件までアップロードできます。パソコンからの操作が前提です。
出典
- 動物の愛護及び管理に関する法律(e-Gov 法令検索) 第22条の5、第39条の2〜第39条の8(確認日 2026-09-24)
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」(確認日 2026-09-24)
- 環境省「マイクロチップ制度Q&A」(確認日 2026-09-24)
- 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」(確認日 2026-09-24)
- 犬と猫のマイクロチップ情報登録「よくある質問」(確認日 2026-09-24)
- 犬と猫のマイクロチップ情報登録「ダウンロード」(一括手続用CSVファイル作成マニュアル 令和8年7月・第2.7版)(確認日 2026-09-24)
本ページは一般的な情報です。手続きや解釈は、管轄の自治体(動物愛護管理センター等)にご確認ください。