犬を飼養する第一種動物取扱業者は、飼養・保管に従事する職員1人あたり犬20頭まで、そのうち繁殖に使う犬は15頭までが上限です。非常勤の職員は週の勤務時間の合計を40時間で割って人数に換算し、端数は切り捨てます(基準省令第2条第2号、2026年9月時点)。
人数と頭数を入れて上限を確かめたいときは、飼養頭数の上限計算を使ってください。
上限の数字
| 動物 | 職員1人あたりの上限 | うち繁殖に使う動物 |
|---|---|---|
| 犬 | 20頭 | 15頭 |
| 猫 | 30頭 | 25頭 |
犬と猫の両方を飼う場合は、それぞれの上限を足すのではなく、基準省令の別表で決まった組み合わせが上限になります。このページでは犬だけを扱う犬舎を前提に説明します。
この上限は2021年6月の基準省令の施行に合わせて段階的に導入され、それ以前から登録していた事業者向けの経過措置(犬30頭→25頭→20頭と段階的に引き下げ)は2024年5月31日で終わりました。2024年6月1日からは、すべての事業者に犬20頭(繁殖犬15頭)が適用されています。
職員数の数え方(常勤換算)
環境省の「解釈と運用指針」では、職員数を次のように数えるとしています。
- 常勤:週40時間勤務している人。正社員か非正規かといった雇用契約の形は関係ありません。
- 非常勤:週の勤務時間が40時間未満の人。
- 常勤換算:非常勤の人全員の週の勤務時間を合計し、40時間で割ります。小数点以下は切り捨てます。
- 1人の上限:勤務時間に算入するのは、1人あたり週40時間までです。
- 個人事業主やボランティア:同じ考え方で数えます。
職員数 = 常勤の人数 +(非常勤の週の勤務時間の合計 ÷ 40 の小数点以下切り捨て)
基準省令の条文では「当該事業所において常勤の職員が勤務すべき時間数で除した数値」とされていますが、運用指針は職員数の計算に使う時間数を法定労働時間の上限である週40時間とするよう定めています。
数え方で注意すること
- 接客だけの販売員は数えない:職員数に入るのは、動物の飼養・保管に従事する人です。
- 複数の事業所で働く人:すべての事業所で「1人」として数えることはできません。事業所ごとの勤務時間で常勤換算します。
- 記録を残す:運用指針は、勤務形態一覧表(参考様式:図表11)などで職員数を記録するよう求めています。自治体の確認では、書面で示す必要があります。
頭数に入れない犬
- 親と同居している子犬:母犬と一緒にいる子犬は数えません。運用指針では、産子数は予測できないことや、子犬の世話の時間は繁殖の管理作業に含めていることが理由とされています。親から離した時点で頭数に入ります。
- 繁殖を引退した犬:繁殖をやめ、販売もしない犬で、その事業者の飼養施設にいる犬は数えません。
「繁殖の用に供する犬」とは、交配した犬、つまり繁殖実施状況記録台帳に記載がある犬を指すと運用指針は説明しています。まだ交配していない若い犬は「その他の犬」として20頭の枠に入ります。
| 犬の区分 | 20頭の枠 | 15頭の枠 |
|---|---|---|
| 繁殖犬(交配して繁殖台帳に記載がある犬) | 数える | 数える |
| 未交配の犬、販売予定の犬(親と離れた子犬を含む) | 数える | 数えない |
| 親と同居している子犬 | 数えない | 数えない |
| 繁殖を引退し、自分の施設で飼っている犬 | 数えない | 数えない |
計算例
運用指針の例
犬38頭(うち繁殖犬30頭)を飼養し、常勤(週40時間)1人、非常勤(週36時間)2人がいる場合です。
- 常勤:1人
- 非常勤の常勤換算:(36+36)÷ 40 = 1.8 → 切り捨てて1人
- 職員数:1+1=2人
- 1人あたり:犬 38 ÷ 2 = 19頭(上限20頭以内)、繁殖犬 30 ÷ 2 = 15頭(上限15頭ちょうど)→ 基準に適合
パートが1人増えたら(当サイトの例)
上の犬舎に、週10時間のパートが1人加わった場合、非常勤の合計は82時間で、82 ÷ 40 = 2.05 → 2人。職員数は3人になり、上限は犬60頭・繁殖犬45頭に広がります。反対に、週36時間のうち1人が週30時間に減ると、(36+30)÷ 40 = 1.65 → 1人のままです。端数が切り捨てられるので、合計が40時間の倍数を下回ると1人分減ることに注意します。
頭数の記録
運用指針は、月初めの犬の頭数と、そのうちの繁殖犬の頭数を記録する参考様式(図表12「犬猫の飼養保管頭数記録票」)を示しています。頭数は、帳簿や定期報告届出書の数と整合がとれるように記録します。
出産が重なる時期は、子犬が親から離れた時点で一気に頭数が増えます。離乳の予定と販売の見込みを並べて、月ごとに上限を超えないかを確認しておくと安心です。
よくある質問
従業員1人で飼える犬は何頭までですか?
飼養・保管に従事する職員1人あたり犬20頭まで、そのうち繁殖に使う犬は15頭までです(基準省令第2条第2号)。親と同居している子犬と、繁殖を引退して自分の施設で飼っている犬は数に入れません。
パートやアルバイトはどう数えますか?
週40時間未満の人は非常勤として、全員の週の勤務時間を合計して40時間で割り、小数点以下を切り捨てた人数を職員数に加えます。環境省の運用指針による方法です。
経営者本人も1人に数えられますか?
運用指針は、個人事業主やボランティアも同じ考え方で数えるとしています。実際に飼養・保管に従事している勤務時間をもとに、常勤か非常勤かを判断します。
繁殖を引退した犬は頭数に入りますか?
繁殖をやめて販売もしない犬で、その事業者の飼養施設にいる犬は、1人あたりの頭数に含めません。
出典
- 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(e-Gov 法令検索) 第2条第2号、別表、附則第3条(確認日 2026-09-24)
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」2. 動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項(PDF、p.20〜27)(確認日 2026-09-24)
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」目次ページ(確認日 2026-09-24)
本ページは一般的な情報です。手続きや解釈は、管轄の自治体(動物愛護管理センター等)にご確認ください。