犬猫等健康安全計画は、犬や猫を販売する動物取扱業者(繁殖を行う場合を含む)が第一種動物取扱業の登録申請書に記載する計画で、様式第1別記2に「幼齢の犬猫等の健康と安全を保持する体制」「販売が困難になった犬猫等の取扱い」「幼齢の犬猫等に配慮した飼養・保管・繁殖・展示の方法」の3項目を書きます。登録後はこの計画に従って業務を行う義務があります(動物愛護管理法第10条第3項第2号・第22条の2、2026年9月時点)。
いつ、だれが出すのか
- 対象:犬猫等販売業(犬・猫などの販売を業として行うこと)を営もうとする人。子犬を販売するブリーダーも含まれます(動物愛護管理法第10条第3項)。
- 提出するとき:第一種動物取扱業の登録申請のとき。登録は5年ごとに更新が必要で、更新の申請でも同じ規定が準用されます(同法第13条)。
- 様式:施行規則の様式第1別記2「犬猫等健康安全計画」。冒頭で「繁殖を行う・行わない」のどちらかにチェックします。
- 登録後:計画の定めるところに従って業務を行わなければなりません(同法第22条の2)。計画に書いたことは、立入検査などで実際にできているかを見られると考えて書きます。
3つの記載項目
| 項目 | 書く内容 | 関係する義務 |
|---|---|---|
| 1 幼齢の犬猫等の健康及び安全を保持するための体制の整備 | だれが、1日何回、どう健康状態を確認し、どこに記録するか。かかりつけの動物病院との連携 | 獣医師等との連携の確保(法第22条の3) |
| 2 販売の用に供することが困難となった犬猫等の取扱い | 売れ残った犬や引退した繁殖犬を、どこで・どうやって最後まで飼うか、譲渡するか | 終生飼養の確保(法第22条の4) |
| 3 幼齢の犬猫等の健康及び安全の保持に配慮した飼養、保管、繁殖及び展示方法 | 56日齢までの母犬・兄弟との飼養、感染症予防、繁殖の回数・年齢、展示時間など | 56日齢以下の販売制限(法第22条の5)、飼養管理基準省令 |
「幼齢の犬猫等」には、繁殖を行う場合、幼齢の犬猫だけでなく繁殖に使う犬猫(母犬など)も含まれます(法第10条第3項第2号のかっこ書き)。
審査で見られること
施行規則第3条第3項は、計画が満たすべき基準として次の3つを定めています。
- 飼養施設の基準や飼養管理基準省令第2条の基準に適合していること
- 幼齢の犬猫等の健康と安全の保持について明確かつ具体的であること
- 販売が困難になった犬猫等の取扱いが、終生飼養を確保するために適切であること
神戸市の記載例は「具体的な管理状況について、数値をもって記載するように」、札幌市の資料は「事業所の実情に合ったものを記載」するよう求めています。回数・時間・病院名など、あとから確かめられる数字や固有名詞を入れるのが書き方の基本です。
項目ごとの書き方のポイント
1 体制の整備
- 健康状態を確認する担当者と、1日の回数・時間帯
- 記録の方法(紙の台帳、電子の台帳など)と、スタッフでの共有方法
- 異常があったときに連絡する動物病院の名前、診療契約や往診の有無
2 販売が困難になった犬猫等の取扱い
- 犬舎内で飼い続ける場合は、そのための飼養スペースや人員
- 譲渡する場合の具体的な方法(従業員や知人への譲渡、譲渡会、愛護団体との協力など)
- 売れ残りを出さないための繁殖数の調整
3 飼養・保管・繁殖・展示の方法
- 飼養・保管:生後56日までは母犬や兄弟と一緒に飼養すること、病気の子の隔離、清掃・消毒の頻度、運動の時間、ワクチン接種の方針
- 繁殖(繁殖を行う場合):生涯出産回数6回まで・交配時6歳以下(7歳の特例の条件つき)、年1回の健康診断で繁殖の適否を確認、帝王切開は獣医師が行う、遺伝性疾患のおそれのある組み合わせで繁殖しない。詳しくは犬の繁殖回数・年齢の上限へ
- 展示(展示販売をする場合):犬猫の展示は午前8時〜午後8時の間、長時間の連続展示では休憩を設ける
- マイクロチップ:装着と登録を行い、購入者に変更登録の義務を説明する。詳しくはマイクロチップの装着・登録へ
記入例(例です。自分の犬舎の実情に合わせて書き換えてください)
以下は、繁殖と販売を行う小規模な犬舎を想定した例です。札幌市・神戸市の記載例を参考に当サイトで作成したもので、そのまま提出できる内容を保証するものではありません。管轄の自治体の記載例と必ず照らし合わせてください。
| 項目 | 計画の内容(例) |
|---|---|
| 1 幼齢の犬猫等の健康及び安全を保持するための体制の整備 | ① 動物取扱責任者と担当スタッフが、毎日朝・昼・夕の3回、幼齢の犬と母犬の健康状態(食欲、排せつ、体重、動き)を確認し、個体ごとの電子台帳に記録してスタッフ全員で共有する。 ② 異常がある個体は、当日中に〇〇動物病院(〇〇市〇〇町)の診察を受ける。同院とは夜間の連絡方法を取り決めている。 |
| 2 販売の用に供することが困難となった犬猫等の取扱い | ① 販売が難しくなった犬と繁殖を引退した犬は、犬舎内の専用スペースで引き続き飼養する。 ② 家庭での飼養を希望する人を、従業員の知人やホームページで募り、面談のうえ譲渡する。 ③ 飼養スペースに常に空きがあるよう、繁殖の回数を計画的に調整する。 |
| 3 幼齢の犬猫等の健康及び安全の保持に配慮した飼養、保管、繁殖及び展示方法 | ① 生後56日を過ぎるまでは母犬・兄弟と一緒に飼養し、離乳を終えた子犬を販売する。 ② 子犬は生後2週間は毎日、その後も定期的に体重を量り記録する。 ③ 病気の疑いがある個体は別のケージに隔離し、獣医師の診療を受ける。清掃は毎日1回以上、消毒は週〇回以上行う。 ④ ワクチンは獣医師が判断する時期に接種する。マイクロチップは引渡し前に装着・登録し、購入者に変更登録の義務を説明する。 ⑤ 繁殖は、雌の生涯出産回数を6回まで、交配時の年齢を6歳以下とする(満7歳時点で出産回数6回未満を繁殖実施状況記録台帳で証明できる場合は7歳以下)。毎年1回獣医師の健康診断で繁殖の適否を確認し、帝王切開は獣医師が行う。遺伝性疾患のおそれのある組み合わせでは繁殖しない。 ⑥ 展示販売は行わない。 |
計画を守っていることを示す記録
計画どおりに業務をしていることは、日々の記録で示すことになります。次の記録は飼養管理基準省令で作成・保存が求められているものです。
- 1日1回以上の巡回で動物の数と状態を確認した台帳(5年保存、基準省令第2条第7号ム)
- 清掃・消毒・保守点検の台帳(5年保存、同第1号イ(3))
- 繁殖実施状況記録台帳(5年保存、同第6号ハ)
- 年1回以上の健康診断の診断書(5年保存、同第4号ハ)
よくある質問
犬猫等健康安全計画はだれが出す必要がありますか?
犬や猫などの販売を業として行う犬猫等販売業を営もうとする人です。子犬を販売するブリーダーも対象で、第一種動物取扱業の登録申請書に記載します(動物愛護管理法第10条第3項)。
書く項目は何ですか?
様式第1別記2の3項目です。幼齢の犬猫等の健康と安全を保持する体制の整備、販売が困難になった犬猫等の取扱い、幼齢の犬猫等の健康と安全に配慮した飼養・保管・繁殖・展示の方法を書きます。
どのくらい具体的に書けばいいですか?
施行規則第3条第3項は「明確かつ具体的」であることを求めています。自治体の記載例では、健康確認の回数、動物病院の名前、繁殖の年齢や回数の制限など、数値や名前を入れて書くよう案内しています。
計画に書いたことは守らないといけませんか?
はい。犬猫等販売業者は犬猫等健康安全計画の定めるところに従って業務を行わなければなりません(動物愛護管理法第22条の2)。実際にできる内容を書きましょう。
出典
- 動物の愛護及び管理に関する法律(e-Gov 法令検索) 第10条、第13条、第22条の2〜第22条の5(確認日 2026-09-24)
- 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(e-Gov 法令検索) 第2条の2、第3条第3項、様式第1別記2(確認日 2026-09-24)
- 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(e-Gov 法令検索) 第2条(確認日 2026-09-24)
- 環境省「動物取扱業者の方へ」(様式第1別記2 の掲載ページ)(確認日 2026-09-24)
- 札幌市「犬猫等健康安全計画の記入内容について」(PDF)(確認日 2026-09-24)
- 神戸市「犬猫等健康安全計画の記載例」(PDF)(確認日 2026-09-24)
本ページは一般的な情報です。手続きや解釈は、管轄の自治体(動物愛護管理センター等)にご確認ください。